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固定資産税の還付!過大な評価が生じる場合と審査の申出の期間

公開 2019年4月19日更新 2026年11月1日

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所有するビルやアパートの固定資産税が、毎年重く感じられる。納税通知書には評価額と税額くらいしか書かれておらず、建物の構造や床面積が正しく評価されているのかを確かめようがない。

本記事は、所有する土地や建物の固定資産税が過大に課されていないかを確かめたい方に向けたものです。実際に還付された例を確かめたい方は、固定資産税が実際に還付された事例をご覧ください。

固定資産税評価額は市町村の職員が算定するため、誤りが生ずることがあります。還付請求が認められれば、地方税法に基づき還付加算金が加算された5年分(国家賠償法に基づけば最長20年分)の過払い金が返還され、今後の固定資産税も見直されます。還付請求には時効がある点に注意が必要です。以下、順にご説明します。

知らなければ損??『固定資産税の還付』

『固定資産税』とは、土地や家屋、償却資産を所有している方に課税される税金です。
この固定資産税ですが、実は還付(減額・返還・取り戻し)される可能性があることをご存知でしょうか?

固定資産税の税額は固定資産の価格をもとに算定されるのですが、固定資産の固定資産税評価額を算定するのは市町村の職員であるため、評価額に誤りが出てくるケースがあるのです。

そして、もし自分が納付している固定資産税に過払いがあれば、還付請求を行うことにより還付金を受け取ることが可能となります。

しかし、還付請求は誰にでもできるわけではありません。また、そもそも還付を受けるためには、まず固定資産税の過払いについて知る必要があります。

そこでここでは、固定資産税の過払いが発生してしまう原因や固定資産税の還付のメリット、還付請求を弁護士に依頼する理由などの情報を徹底解説していきます。

⇒過払い固定資産税の還付の方法を見る!

こんなに発生している!!固定資産税の徴収ミス

固定資産税の算定は、市町村の職員が行っています。決して、専門家が算定しているわけではないのです。

そのことを証明するかのように、過去に実施された調査では、評価額にかなり間違いがあったことが分かっています。

例えば、総務省が行った『固定資産税及び都市計画税に係る税額修正の状況調査』では、以下のような調査結果が報告されました。

年度 税額修正団体数 団体数割合
平成21年度 1,483団体 93.2%
平成22年度 1,485団体 93.3%
平成23年度 1,484団体 93.2%
累計 1,544団体 97.0%

※団体数割合 = 各年度の税額修正団体数 / 調査回答団体数

(出典元:http://www.soumu.go.jp/main_content/000173655.pdf)

総務省は、市区町村に対し、固定資産税の間違いがないかを調査しました。
その結果、調査に対して回答した団体の90%以上が、「一人以上の税額の修正を行った」と報告したのです。

また、2009年~2011年度の3年間の間では、固定資産税の減額修正が全国で25万件以上あったことが総務省の調査で分かっています。

中には、「20年間の間で実に約4,850万円も多く課税されていた!」なんて事例もあります。そのため、「固定資産税が重い!」と感じましたら、即刻課税額の確認を行う必要があるのです。

固定資産税の誤りが発生してしまう理由

そもそも、なぜ固定資産税(税金)の誤りが発生してしまうのか。それは、固定資産の固定資産税評価額を算定するのが市町村の職員だからです。
前述の通り、市町村の職員は不動産(土地や建物)の固定資産評価の専門家ではありません。

また、固定資産税の評価方法が複雑なのも大きく影響しています。例えば、算定時に以下のようなことが原因で、固定資産税の誤りが発生しているケースがあります。

【ありがちな算定ミス】

  1. 鉄骨造りなのに鉄筋鉄骨造りの前提で誤って評価されている
  2. 木造なのに軽量鉄骨という前提で誤って評価されている
  3. 店舗なのに事務所として誤って評価されている
  4. 遊技場なのに店舗として誤って評価されている
  5. 非課税物件も誤って評価されている
  6. 家屋構造が誤っている
  7. 評価替えが誤っている
  8. 用地認定が誤っている
  9. 償却資産が違っている

など。

固定資産税の間違いにつきましては、固定資産税評価額の付け方を間違えてるケースがあれば、本来使えるはずである特例が使われていないために、固定資産税に誤りが発生してしまっているケースもあります。

例えば、住宅用地ならば本来、固定資産税が通常の6分の1となる『住宅用地の特例』が適用されるはずなのに、市町村の職員のミスで適用されていないために、「固定資産税をそのまま支払ってしまっている」ということもあるのです。

このような誤った状況は、勝手に改善されるわけではありません。自分で気づき、改善のために自分で行動するしかないのです。

固定資産の評価の専門家とは?

固定資産税が重いと感じても、素人目では細かい点まで気づくことはできません。
また、どのようにして還付の手続きを取ったらいいのか、その手順も分からない方がほとんどでしょう。

そこで登場するのが、固定資産の評価の専門家『弁護士』です。
弁護士に依頼すれば、固定資産税評価額の見直し(再調査・再評価・チェック・点検)から過払い固定資産税(払い過ぎた税金)の還付(減額・返還・取り戻し)手続きまで行ってくれます。

また、固定資産税評価額の見直しや還付手続きと聞くと、依頼者にとっても非常に手間がかかるイメージが湧くかもしれません。

しかし、実際には建物の図面などの資料を弁護士に提示するだけなので、依頼者は面倒な手続きも不要で結果(還付)だけを待つことが可能となっています。

  • 過払い固定資産税の還付のメリット

過払い固定資産税の還付請求には以下のようなメリットがあります。

過払い固定資産税の還付請求のメリット

払い過ぎた固定資産税が返ってくる

固定資産税の還付請求が認められた場合、地方税法に基づいて、原則として直近5年度分の過払い金に、還付加算金(地方税法第17条の4)を加えた額が還付されます。5年度より前の分は、要件を満たす場合に、国家賠償法に基づく損害賠償として請求することになります(後記「固定資産税の過払い金の還付請求は時効に要注意!」の節をご参照ください)。

大幅な節税効果が生まれる

過払い固定資産税が発見された場合、払い過ぎた固定資産税が返ってくるだけでなく、今後の固定資産税についても見直されます。

その土地や建物の固定資産を売却するまで課せられる固定資産税が下がるため、大幅な節税効果に期待できるようになります。

還付金での資金繰り改善も可能に

固定資産税の還付請求が認められた場合、一括で還付金を受け取ることが可能となります。

過払い金の額にもよりますが、還付金には還付加算金(地方税法第17条の4)が加算されるため、まとまった額となることがあります。
還付金の活用方法は当然自由であるため、会社の資金繰り改善にも一役立てることができます。

⇒過払い固定資産税の還付の方法を見る!

こんなケースは要チェック!!固定資産税の還付請求が認められやすいケースとは?

中には、固定資産の状況によって、固定資産税の還付請求が認められやすいケースもあります。
保有している固定資産が以下のようなケースにあてはまる場合は、還付請求が認められやすい状況にあるため、是非とも弁護士へ還付請求の依頼を行うことをおすすめします。

  1. 建物が鉄骨構造である、または、軽量鉄骨造りの建物を所有している
  2. 建物の固定資産税として80万円以上を支払っている
  3. 床面積が1000平方メートル以上の固定資産を所有している
  4. 所有している固定資産が昭和50年〜平成9年までに建てられたものである
  5. 納税通知書の課税床面積を確認したことが無い
  6. 土地の一部を公的機関や公道・私道に提供している

弁護士に固定資産税の過払い金の還付請求を依頼する理由やメリットとは?

価格の修正の申出、審査の申出及び還付の手続は、納税者ご本人が行うこともできます。もっとも、他人のために報酬を得てこれらの手続を代理することができるのは、弁護士及び税理士等に限られます(弁護士法第72条ほか)。資格のない業者に依頼すると、違法となるおそれがありますので注意が必要です。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

固定資産税の過払い金の還付請求を税理士ではなく弁護士に依頼する理由とは

「べつに依頼するのは弁護士にこだわらず、税理士でもいいのではないか?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、弁護士へ依頼するのにはしっかりと理由があるのです。

固定資産税の評価をめぐる争いは、市町村との協議にとどまらず、固定資産評価審査委員会への審査の申出、取消訴訟及び国家賠償請求訴訟に進むことがあります。これらの手続を最初から最後まで一貫して代理することができるのは、弁護士です。

また、弁護士にも得意、不得意があるため、不動産取得税や固定資産税の計算根拠となる土地や建物の評価計算方法をしっかりと理解している、固定資産税に特化した弁護士へ依頼することで、還付請求を受けることができる可能性も高まるのです。

税理士ではなく弁護士、それも固定資産税に特化した弁護士へ依頼を行うことが、固定資産税の還付への近道となります。

固定資産税の過払いの有無を調べる方法

過払いの有無は、納税通知書に同封される課税明細書と、市町村で取得できる資料とを突き合わせることにより、ある程度までご自身で確かめることができます。最終的な判断には固定資産評価基準に基づく再計算を要しますが、次の順序で確認しますと、誤りの疑いのある箇所を絞り込むことができます。

課税明細書で確認すべき項目

課税明細書には、土地及び家屋ごとに、所在、地目又は種類・構造、地積又は床面積、価格(評価額)、課税標準額及び税額が記載されています。次の点を、登記事項証明書及び現況と照らし合わせてください。

  • 既に取り壊した家屋が記載されたままになっていないか
  • 地目、地積、床面積、構造及び用途が、登記又は現況と食い違っていないか
  • 住宅が建っている土地について、住宅用地の特例(地方税法第349条の3の2)による課税標準の軽減が適用されているか
  • 私道として一般の通行の用に供している部分について、非課税(同法第348条第2項第5号)又は減額の取扱いがされているか
  • 建物の附帯設備が、家屋の評価と償却資産の申告とで二重に評価されていないか

市町村で取得できる資料

  • 固定資産評価証明書:各年度の価格等を証明する書面です(地方税法第382条の3)。
  • 名寄帳:同じ市町村内で所有する固定資産の一覧です(同法第387条)。課税明細書に記載されていない不動産の有無や、記載の漏れの確認に用います。
  • 固定資産課税台帳の閲覧:納税義務者は、自己の資産について台帳を閲覧することができます(同法第382条の2)。
  • 縦覧帳簿の縦覧:毎年4月1日から一定の期間、同じ市町村内の他の土地又は家屋の価格と比較することができます(同法第415条第1項)。
  • 家屋評価調書等:家屋の評価の内訳を記載した書面です。市町村により、個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求(同法第76条以下)又は情報公開の手続により開示を求めることになります。

誤りが生じやすい建物と土地

家屋の評価は、構造、用途及び設備ごとに定められた評点を積み上げて行われます。そのため、ホテル、病院、結婚式場、遊技場、工場等の用途が特殊な建物や、増改築を重ねた建物では、評点の適用の誤りが生じやすくなります。土地については、現況の地目の認定、画地の補正の適用、私道や公共の用に供されている部分の取扱いに誤りが生じやすい傾向があります。

確認の後に注意すべき期間

その年度の価格を争うには、審査の申出の期間(地方税法第432条第1項)を守る必要があります。また、過去の年度分の還付を受けられるのは、原則として直近5年度分です。払い過ぎた税金が戻る仕組みと遡ることのできる期間は、固定資産税評価額の見直しによる過払い固定資産税の還付のページで整理しています。

固定資産税の過払いの有無の確認から還付の請求までの進め方は、次のページでご案内しています。

まずは固定資産税の過払い金の有無に関する簡易診断を受けてみよう

「固定資産税の評価が適切に評価されているかを知りたい」という方は、まずは弁護士による簡易診断を受けてみることを検討しましょう。

簡易診断は以下の書類を弁護士へ預けるだけで、簡単に過払い固定資産税の還付請求ができるかを知ることができます。

【簡易診断の必要書類】

  1. 固定資産税・都市計画税 納税通知書
  2. 不動産登記簿
  3. 償却資産申告書

など。

あくまで簡易的に行う診断ですので、手数料もそれほどかかりません。よって、気軽に試すことが可能となっています。

固定資産税の過払い金の還付請求は成功報酬制

初めて弁護士に依頼する方の中には、「高い手数料ばかりが取られる可能性があるのでは?」と危惧している方もいらっしゃるでしょう。
しかし、弁護士の多くは『成功報酬制』を採用しています。

過払い固定資産税の還付に関する相談から、固定資産税評価額の見直し(再調査・再評価・チェック・点検)の手続き、還付(減額・返還・取り戻し)手続なども成功報酬制となっているため、「多額の手数料だけ取られて何の成果もなかった」という心配がありません。

依頼人にとってリスクが低いため、安心して相談することが可能となっています。

固定資産税の過払い金の還付請求は時効に要注意!

払い過ぎた固定資産税のうち、地方税法の手続により還付を受けられるのは、原則として直近5年度分です(地方税法第17条の5第5項、第18条の3第1項)。そのため、少しでも固定資産税に誤りがあると感じた場合は、早期に弁護士へ相談することを推奨します。

5年度より前の分については、市町村の評価の誤りについて担当者に故意又は過失がある場合に、国家賠償法に基づく損害賠償として請求することができます(最高裁判所平成22年6月3日第一小法廷判決)。ただし、損害及び加害者を知った時から3年間、不法行為の時から20年間という時効の期間の制約があり(国家賠償法第4条、民法第724条)、当然に過去20年分が戻るものではありません。

実際に固定資産税の過払い金が還付されるまでの期間は?

弁護士に還付請求の手続きをし、実際に依頼者の下へ還付金が還付されるまでにはおおよそ「3ヶ月~6ヶ月程度」の期間が必要となります。

ただし前述の通り、依頼者は建物の図面などの資料を弁護士へ提示するだけなので、難しい手続き等は弁護士に任せて還付を待つことが可能となっています。
⇒過払い固定資産税の還付の方法を見る!

まとめ

固定資産税を、市町村から課されるままに支払っている方は多いでしょう。
しかし、あなたが支払っているその固定資産税は、本来支払う必要のないものかもしれません。

また、固定資産税の過払いにつきましては自分で気づき、行動しなくてはいけません。
5年という時効がある固定資産税の過払いは、その可能性があると感じたならばすぐにでも専門家である弁護士へ相談すべきです。

数百万円、数千万円という過払い税金の還付や、今後数十年節税できるという大きなメリットを持つ固定資産税の還付は非常に有益な情報なので、是非ともこの機会に把握しておくことをおすすめします。

この記事の位置付け

固定資産税の還付を求める期間に関するメインのページです。本ページは、不動産の相続で承継した土地の過大な評価が生じる典型的な場面と、審査の申出をすることのできる期間をご説明します。還付の事例は別のページをご参照ください。また、過払いの有無をご自身で確かめる方法(課税明細書の見方、市町村で取得できる資料、誤りが生じやすい例)も整理しています。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、2024年(令和6年)10月には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ました。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めています。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継、企業法務及び不動産に関する法律問題

所在地 〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 森トラスト城山トラストタワー17階/電話番号 03-6435-8418/受付時間 8:00-21:00(土日祝含む)

本記事の記載は一般的な法律情報であり、個別の事案に関する法律上の助言ではありません。記載した経歴は事実の記述であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。

著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令)
中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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